エベレスト街道ひとり旅(準備編)

2013年11月、エベレストを見に、エベレスト街道に行ってきました。
休みはたったの10日間。
ガイドもポーターも付けずにバックパッカーで、旅費はたったの15万円でした。

エベレスト街道とは

エベレスト街道とは、エベレストに登る人が歩く道です。
標高2,840mのルクラ空港からスタートし、ナムチェを通り、エベレストに向かって歩いていきます。
この道は、車が通ることができず、自分の足で歩いていくことしかできません。

エベレストを観に行くトレッキングツアーは、大きく分けて3つあります。

  1. カラパタールまで行く
  2. シャンボチェまで行く
  3. カラパタール、エベレストベースキャンプ、ゴーキョピークを巡る、スリーパストレイル

エベレスト街道を歩いて、最初にエベレストが見えるビューポイントがシャンボチェです。
(※正確には「最初」ではないのですが。)
私は、そこまで行くことにしました。

エベレスト街道の地図

私の場合、休みが10日間しかなかったので、シャンボチェまでが限界でした。
カラパタールやゴーキョピークまで行くには、最低でも3週間の休みが必要です。
なぜなら、カトマンズ 〜 ルクラ間の飛行機は、有視界飛行のため、雲があっても飛べないのです。
何日も飛行機が飛ばないことがあるそうです。
なので、余裕を持ったスケジュールを組む必要があります。

10日間の旅のスケジュール

エベレストを見に行くベストシーズンは、10〜11月か3月ということで、私は11月に行ってきました。
10〜11月は乾季で晴れが多く、エベレストを見れる可能性が高いのです。
3月はシャクナゲが咲いて綺麗だそうです。

2013年11月2日(土)〜11日(月)の10日間

1日目11/2(土)羽田 → 昆明
2日目11/3(日)昆明 → カトマンズ
3日目11/4(月)カトマンズ → ルクラ → モンジョ
4日目11/5(火)モンジョ → ナムチェ
5日目11/6(水)ナムチェ → シャンボチェ → ナムチェ → モンジョ
6日目11/7(木)モンジョ → ルクラ
7日目11/8(金)ルクラ → カトマンズ
8日目11/9(土)カトマンズ観光
9日目11/10(日)カトマンズ → 昆明
10日目11/11(月)昆明 → 上海 → 成田

10日間のうち、エベレスト街道を歩いたのは、3〜6日目の4日間です。

日本で準備したこと

  • ネパールとエベレスト街道の本を片っ端から読んだ
  • 体力づくりと高度順応
  • ネパール大使館でツーリストVISA取得(15days)
  • 日本 → カトマンズ の格安航空券の予約(トラベルコちゃん)
  • カトマンズ → ルクラ の国内線の予約(ネパールの現地ツアー会社/英語対応のみ)
  • 乗り継ぎで宿泊する昆明のホテルの予約(Booking.com)
  • カトマンズのホテルの予約(Booking.com)
  • トレッキングに対応した海外旅行保険加入

日本で準備したことは、こんな感じです。
一番大変だったのは、カトマンズ → ルクラ の国内線の予約です。
当時、ネットからの予約はできなくて、現地のツアー会社を通して購入するしかありませんでした。
日本語が通じるツアー会社は、航空券のみの予約はしてないと断られました。
それで、日本語が通じない(英語対応のみの)現地ツアー会社で、国内線の予約をしてくれるところを探しました。
そのツアー会社が、クレジットカードに対応してなくて、郵便局から送金するのも大変だったのを覚えています。

左がネパールのツーリストVISA。半年間有効です。

体力づくりと高度順応について

ここで、私の登山経験について、書いておきます。
この時の私の年齢は41歳、登山歴は11年でした。
月1回程度、山に登っていました。
エベレスト街道に行く前の1年間で登った山は、燕岳(2,763m)、北岳(3,193m)、浅間山(2,568m)、焼岳(2,455m)、瑞牆山(2,230m)、丹沢山〜蛭ヶ岳縦走(1,673m)などです。
こうして並べてみると、そんなに高い山は登ってないですね (^^;)
高度順応って言えるほどの山は登って無かったです。
でも、11年の登山経験があり、日本で2番目に高い北岳に、余裕を持って登れる体力がありました。

燕岳山頂にて

体力づくりですが、この頃は、ボルダリングにはまっていて、週4〜5回ボルダリングジム(中野島Pump2)に通っていました。
店長道場に参加し、6〜5級を登っていました。
その頃のPump2の店長は、国際ルートセッターの平松幸祐さん(通称:平マッチョ)でした。あの平松さんにボルダリングを教えてもらったんです。
野口啓代選手や、安間佐千選手も、ときどきPump2で練習していて、目の前で登りを見させてもらってました。
ものすごく恵まれた環境で、ボルダリングやってたんですよね〜。しみじみ。

Pump2で6級を登る私

カトマンズ〜ルクラの航空券は必ず往復で買うべし!

ここで注意事項です。
天候によって、飛行機が何日も飛ばないことがある、と知った私は、帰りの便はいつになるか判らないので、とりあえず、行きの便だけ買っておいて、帰りの便は、現地で買おうと思ったのです。
これが、大変な誤算でした。
現地で航空券を買うのは、至難の業だったのです。
このために、私はとんでもなく大変な思いをすることになりました。
(これについては、詳しくは、後のページに書きます。)
とにかく、これから、エベレスト街道や、ヒマラヤのトレッキングに行かれる方は、国内線の航空券は、必ず往復で買ってください。
荒天で飛行機が飛ばなくても、チケットは有効です。
チケットさえ持っていれば、代替の便に乗ることができます。

TIMSカードの事前取得は不要

そして、注意が不要なのが、こちら。

エベレスト街道がある『サガルマータ国立公園』に、外国人が入園するには、TIMSカードが必要です。
(TIMSは、Trekker’s Information Management System の略です。)
ネットを見ると、いろいろなところに「TIMSカードは事前に取得する必要がある」と書いてあります。
地球の歩き方にも書いてあります。

私が問い合わせた、日本語が通じる現地ツアー会社でも、
「TIMSカードは、絶対に事前に取得しないといけない。
TIMSカード無しで入山するとペナルティが課せられる。
ガイドもポーターも付けずに、TIMSカードも取得しないで、一人で行くなんてキチガイだ。」
と激怒されました。

でもネパールはおそらく、ヒマラヤの観光が最大の収入源で、世界各地から観光客が行くはずなのです。
海外からの登山客に対して、そんなに厳しいハードルやペナルティがあるはずないんじゃないか?と思い、私は事前取得せずに現地入りしました。
後で、詳しく書きますが、結果、TIMSカードの事前取得は必要ありませんでした。

TIMSカードは事前取得不要。現地で簡単に作れます。

Hotel Everest View

Hotel Everest Viewは、エベレスト街道のシャンボチェにあるホテルです。
ネパールの山の中とは思えない、とても豪華な造りのホテルです。
テラスでコーヒーを飲みながら、エベレストを眺めることができると、いろんなところで宣伝されていて、私もHotel Everest Viewに泊まりたいと思いました。

このホテルは、ヒマラヤ観光開発株式会社(日本企業)が経営しています。
宿泊の予約をしたい、と問い合わせたところ「宿泊のみの予約は受け付けていない。ヒマラヤ観光開発主催のツアーに参加した客しか泊まれない。」との素っ気ない返答が返ってきました。

ちなみに、シャンボチェには、Hotel Everest View専用のプライベート滑走路があります。
自分の足で歩かずにエベレストを見に行く、金持ち専用のホテルなのかもしれません。

私は、シャンボチェまで行って、『Hotel Everest Viewのテラスで、エベレストを眺めながら、コーヒーを飲むこと』を旅の目標に決めました。
(宿泊のハードルは高いですが、テラスでコーヒーを飲むことは、全ての登山客にWelcomeなのです。)

旅の準備にかかったお金

地球の歩き方(ネパール、上海、昆明の3冊)5,565円
Tourist VISA(査証)2,500円
東京⇔カトマンズ 往復航空券46,240円
カトマンズ→ルクラ 片道航空券(送金手数料込み)18,400円
海外旅行保険(トレッキング対応)4,660円
合計77,365円

続きはこちら
エベレスト街道ひとり旅(1日目:東京→昆明)